EC運営
検索されない商品をどう売る?
「検索EC」から「発見型EC」へ変わる購買行動

まだ知られていない商品は、検索されてから売るのでは間に合いません。検索型ECと発見型ECの違い、購買行動の変化、発見型ECにおいて重要な考え方を解説します。
ECで商品を売るとき、多くの施策は「すでに商品を探している人」を前提に設計されています。Google検索で商品名やカテゴリ名を調べる。Amazonや楽天市場で比較する。広告から商品ページへ移動する。これは今後も重要な購買行動です。
しかし、ここには一つ大きな前提があります。消費者が、その商品やカテゴリの存在をすでに知っていることです。
まだ知られていないブランド、新商品、説明しなければ価値が伝わりにくい商品は、そもそも検索されません。どれだけ商品ページを改善しても、検索結果で上位に表示されても、消費者の頭の中に検索する言葉自体が存在しなければ、商品との接点は生まれにくいままです。
そこで近年存在感を増しているのが、消費者が「欲しいものを探す」のではなく、コンテンツを見ている中で商品と出会い、興味を持ち、購入へ進む「発見型」のECです。
この記事では、検索を中心とした従来型ECと発見型ECの違い、その背景にある購買行動の変化、そして企業がどのように新しい商品との出会いを作れるのかを考えます。
EC市場が成長しても、「商品を見つけてもらう」問題は残る
日本のBtoC-EC市場は拡大を続けています。
経済産業省によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円で、前年の24.8兆円から5.1%増加しました。物販分野のEC化率も9.8%まで上昇しています。
【参考】:令和6年度電子商取引に関する市場調査(経済産業省)
ECで買うこと自体は、すでに特別な行動ではありません。しかし、EC市場が大きくなることと、自社の商品が発見されやすくなることは別問題です。
商品数も販売チャネルも増えれば、消費者が選べるものは増えます。一方で企業側から見れば、自社商品が無数の選択肢に埋もれる可能性も高くなります。
特に難しいのが、次のような商品です。
- 新しく発売した商品
- 知名度の低いブランド
- 地域のメーカーや中小ブランド
- 今までにない用途の商品
- 説明を聞かなければ違いが分かりにくい商品
こうした商品には、検索SEOだけでは解決しづらい問題があります。
「検索される」には、そもそも知ってもらう必要がある
検索は非常に強い販売チャネルです。「ランニングシューズが欲しい」「敏感肌 ファンデーション」「スイス時計 ダイバーズ」のように、ユーザーが欲しいものをある程度理解している場合、検索は企業と消費者を効率よく結び付けます。
つまり検索が得意なのは、すでに存在している需要を捉えることです。
一方、「こんな商品があること自体知らなかった」という人は、その商品を検索できません。ブランド名を知らなければ指名検索できませんし、新しいカテゴリなら一般的な検索キーワードすら存在しないことがあります。
ここに、検索中心のECだけでは取り切れない顧客層があります。
消費者は、検索だけで商品を知っているわけではない
実際の商品発見は、すでに検索エンジンだけで起きているわけではありません。
2025年にオンラインショップで購入経験のある520人を対象に行われた調査では、購入した商品を初めて知ったきっかけとして、YouTubeとオンラインレビュー・比較サイトがそれぞれ約33%を占めました。女性ではInstagramから商品を知った割合も約30%、男性ではYouTubeが約42%でした。
【参考】:オンラインショッピングの商品認知に関する調査結果レポート(2025年版)(コマースピック)
SNS、動画、レビュー、クリエイター、店頭。消費者の商品発見の入口は分散しています。
「検索EC」と「発見型EC」は何が違うのか
発見型ECとは、検索を使わないECという意味ではなく、その最大の違いは、購買行動のスタート地点にあります。
購買行動を単純化すると、次のような違いがあります。

検索型では、最初に「欲しい」があるのに対し、発見型では、商品との出会いが先にあり、そこから欲しい理由が生まれます。
そのため、発見型ECでは「検索されたときに商品を見つけてもらう」だけでは十分ではありません。まだ商品名を知らない人、そもそもその商品を探していない人に対して、コンテンツを通じて興味を持つきっかけをつくる必要があります。
つまり、商品を「探している人」に届けるのが検索型ECだとすれば、発見型ECでは「まだ探していない人」との接点をどうつくるかが重要になります。
TikTok Shopが示す「発見して買う」という購買行動
日本でこの変化を分かりやすく示している事例の一つがTikTok Shopです。TikTok Shopは2025年6月30日に日本でサービスを開始し、ショート動画やLIVE配信から商品を発見し、そのまま購入できる仕組みを「ディスカバリーEコマース」と位置付けています。
2025年6月30日から2026年6月30日までの1年間では、TikTok Shop Japanの流通総額(GMV)の70%以上がショート動画やLIVE配信などのコンテンツを起点とした購入でした。さらに、そのコンテンツ経由GMVのうち、約60%をLIVE配信経由が占めたとTikTokは公表しています。
利用者も若年層だけではありません。同じ発表では、2026年6月時点で利用者の約4割が18〜34歳、約6割が35歳以上とされています。
【参考】:TikTok Shop、日本での提供開始から1年(TikTok Newsroom)
もちろん、これはTikTok Shopという特定プラットフォーム内の実績であり、日本のEC全体が検索型から発見型へ置き換わったことを意味するものではありません。
ただし、「最初から商品を探していたわけではない人が、コンテンツを通じて商品と出会い、そのまま購入する」という購買行動が、日本でも実際に成立していることを示す事例としては注目できます。
発見型ECが重要なのは「認知」を増やせるからだけではない
発見型ECを単に、「SNSで商品を知ってもらえる」という話で終わらせると、本質を見落とします。
企業にとってより重要なのは、認知・商品理解・比較・購入を近づけられることです。
従来の流れでは、消費者が複数の場所を行き来することがあります。
場所を行き来する購買
広告
ECサイト
商品ページ
レビュー
検索
比較サイト
ECサイトに戻る
購入
一方、動画やライブを起点とした購買では、次の工程を一つのコンテンツ体験の中で近づけられます。
コンテンツの中で進む購買
商品を知る
使っているところを見る
特徴を理解する
疑問を解消する
購入する
特に重要なのが、商品について理解する工程です。
「知らない商品」は、知ってもらうだけでは売れない
企業が新商品をSNSで広めたとしても、それだけで購入につながるとは限りません。むしろ、知名度の低い商品ほど、次の疑問が生まれます。
- これは何?
- 他の商品と何が違う?
- なぜこの価格?
- 自分にも必要?
つまり新しい商品には、発見させることと同時に、理解してもらうことが必要です。
「知ったあとに理解するまで」をどう設計するかが重要になります。
発見と理解をつなぐライブコマースという選択肢
ライブコマースとは、企業やブランド、販売スタッフ、クリエイター、専門家などがLIVE配信で商品を紹介し、視聴者とリアルタイムでやり取りしながら販売する方法です。
発見型ECとの相性が良い理由は、単にライブ配信の中で商品を宣伝できるからではありません。
初めて知った商品について、その場で詳しく理解できるからです。
たとえば視聴者が、
- 「自分の使い方ならどちらがおすすめですか?」
- 「この商品を選ぶ人は、どんな悩みや目的を持っていることが多いですか?」
- 「実際に身につけると、どのような見え方になりますか?」
と質問すれば、配信者はその場で答えられます。
事前に作った商品動画では、企業があらかじめ想定した情報を伝えることはできますが、視聴者一人ひとりの疑問に合わせて内容を変えることはできません。
ライブでは、実際に視聴している人が何を知りたいのかに応じて、商品の見せ方や説明を変えられます。
また、クリエイターやKOLの役割も、単に商品を紹介して認知を広げるだけではありません。実際に商品を使いながら説明したり、視聴者からの質問に答えたりすることで、認知から商品理解、購入検討までをつなぐ役割を担うことができます。
ライブコマースは「オンライン上の店舗」にもなる
実店舗では、商品を見るだけではなく、店員に質問したり、複数の商品を比較したり、実際の使い方を確認したりしながら購入を検討できます。
一方、一般的なECでは、商品ページに掲載されている写真や説明、レビューなどをもとに、基本的には購入者自身が判断します。
ライブコマースでは、その間に人とのやり取りを加えることができます。
店舗に足を運ばなくても、
- 「この商品をもう少し見せてください」
- 「この2つを比較してもらえますか」
- 「自分にはどちらが合いますか」
と、その場で質問できます。
ユーザーにとっては、自宅にいながら店舗で接客を受けるような感覚で商品を検討できるのがメリットです。
企業側にとっても、これは新しい販売機会になります。
新商品を実際に見せ、説明し、質問に答える方法としてポップアップストアや販売イベントは有効ですが、会場、什器、設営、スタッフ、移動、商品輸送などの準備と費用が必要です。また、参加できる人も開催場所や日時に左右されます。
ライブコマースが実店舗やポップアップを完全に置き換えるわけではありません。
しかし、オンライン上で「見せる・説明する・比較する・質問に答える」機会を作ることで、物理イベントだけに依存しない販売方法を持つことができます。
たとえば東京にしか店舗がないブランドでも、全国のユーザーに同時に商品を紹介できます。ユーザー側も店舗まで移動する必要がなく、自宅から商品について質問できます。
つまりライブコマースは、単にECの商品ページを動画にするのではなく、店舗で行われてきた接客体験の一部をオンラインへ持ち込む方法と考えると分かりやすいでしょう。
どんな商品が「発見型」と相性がいいのか
すべての商品をライブや動画で販売する必要はありません。一般に、発見型との相性を考えやすいのは次のような商品です。
| 商品の特徴 | 発見型との相性 |
|---|---|
| 新しく、まだ商品名を知られていない | 商品との最初の接点を作りやすい |
| 見ると魅力が分かる | 動画・ライブで実演できる |
| 説明すると価値が伝わる | 専門家やブランド担当者が解説できる |
| 比較して選ぶ | 複数商品を同時に見せられる |
| 購入前に質問が多い | ライブでその場で回答できる |
| ブランドの背景が重要 | 作り手・担当者自身が語れる |
| 使用シーンが購買を左右する | 実際の利用場面を見せられる |
逆に、すでに指名買いされていて、価格・容量・納期だけで購入判断できる商品なら、検索や通常ECを最適化する方が効率的な場合もあります。
検索されない商品を売るためには、検索順位を上げるだけでなく、検索される前に商品との出会いを作ることが重要です。
SNSや動画、ライブコマースは、まだ商品を知らない人に興味を持ってもらい、その後の理解や購入につなげる役割を持っています。
特にライブコマースは、発見から理解、比較、質問までを一つの体験としてつなげられるのが強みです。
商品との「出会い」から「納得して買う」までを、ひとつの体験に
Live Mall Clubは、「日本初の双方向ライブコマースプラットフォーム」を掲げ、従来の一方向型のライブ配信とは異なる購買体験を提供しています。
一般的なライブコマースでは、ブランドや配信者が商品を紹介し、視聴者はコメント欄から質問するという形式が中心です。Live Mall Clubの特徴は、視聴者も含めた複数の参加者が、同じライブの中で直接会話できることにあります。
ライブ画面は最大4つに分割することができ、次の立場の人が同じライブに参加し、対談のような形で商品の魅力や疑問を掘り下げられます。
- 商品を販売する企業・ブランド
- 商品について詳しいKOL・専門家
- 商品を実際に作っている生産者・開発者
- 質問や相談をしたい視聴者・消費者
例えば、ブランド担当者が商品の特徴を説明したあと、KOLが実際の使用感について話し、生産者が「なぜこの素材を使ったのか」「どのように作られているのか」を説明する。そこに視聴者が登壇し、「自分の使い方にはどちらの商品が合いますか?」「実際のサイズ感をもう少し見せてもらえますか?」「この商品はどうしてこの価格なのですか?」と、その場で直接質問することもできます。
単に商品を「見る」だけではなく、売り手、詳しい人、作り手、買い手が同じ場で会話できる。これがLive Mall Clubならではの双方向性です。
そのため、まだ知られていない商品との出会いを作るだけでなく、商品を知る、背景や価値を理解する、専門家の意見を聞く、気になることを直接質問する、納得して購入する、という一連の購買体験を、ひとつのライブの中でつなげることができます。
企業・ブランドにとっても、単に商品を宣伝するだけではなく、商品の背景や作り手の想いまで含めて伝えながら、消費者の反応や質問をリアルタイムで受け取れる場になります。
実店舗やポップアップだけに頼らず、全国のユーザーと直接会話しながら商品の魅力を届けたい企業・ブランドの方は、Live Mall Clubの活用をご検討ください。 企業向けサービスを見る
お問い合わせ
ライブモールクラブに関するご質問・お問い合わせは
こちらから受け付けています。お気軽にご相談ください。


